20代 登録⇒面談率 改善レポート

新卒治療家(柔道整復師・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師)における構造分析と施策設計
01 — 問題構造
登録⇒面談率の年次推移 — 年代別比較(%)
20代
30代
40代以上
20代だけが2022年→2025年にかけて58%→35%と一貫して急落。30代・40代以上は横ばい〜緩やかな低下にとどまる。これは業界全体の問題ではなく20代に特化した構造変化であることを示す。
出典:自社Salesforceデータ(登録⇒面談率 / 年代別・会計年度別) n=13,785
20代 面談率変化(2022→2025)
58% → 35%
▼23pt 下落(約4割減)
30代 面談率変化(2022→2025)
60% → 44%
▼16pt(緩やかな低下)
40代以上 面談率変化(2022→2025)
58% → 52%
▼6pt(ほぼ横ばい)
全指標サマリー(自社データ)
年代指標2022202320242025合計
20代 登録⇒面談率 58.0%43.2%41.5%35.0%41.7%
登録⇒コンタクト率 68.6%57.3%57.0%53.7%57.4%
コンタクト⇒面談率 84.5%75.4%72.7%65.3%72.6%
30代 登録⇒面談率 60.2%53.7%49.4%43.7%50.6%
登録⇒コンタクト率 72.7%64.8%66.5%64.2%66.4%
コンタクト⇒面談率 82.9%82.9%74.3%68.1%76.1%
40代以上 登録⇒面談率 58.1%52.9%58.9%51.5%54.7%
登録⇒コンタクト率 68.5%63.9%72.8%71.2%69.3%
コンタクト⇒面談率 84.7%82.8%80.9%72.4%78.8%
原因の分類(確定済み)
因子内容スコープ根拠
A 電話コミュニケーション離れ・通電後の断り増加 今回対象 2023年以降に急変。通電率は微減だが面談転換率が大幅低下。
B 知らない番号への拒否・架電タイミング 今回対象 時間帯分散で通電率改善済み。番号事前通知はコンタクト率↑・面談率↓の結果。
C 低学年登録の増加(転職意向低い層の混入) IS対応予定 新卒1〜2年生の登録が増加。IS部隊でスクリーニング対応。
D CPA高騰・大手参入による集客チャネル劣化 IS対応予定 3年でCPA2〜3倍。SNS等低意向チャネルの比率上昇。
02 — 自社データ
テキスト送付の効果検証(n=200)
区分登録数コンタクト数面談数登録⇒コンタクト率コンタクト⇒面談率登録⇒面談率
コンタクト前テキスト送付あり 1315427 41% 50% 20.6%
コンタクト前テキスト送付なし 692315 33% 65% 21.7%
合計 2007742 39%55%21.0%
テキスト送付はコンタクト率を+8pt改善するが、面談転換率を-15pt悪化させる。最終的な登録⇒面談率はほぼ同値。「構えた状態で通電される」ことで断る準備ができている可能性。
コンタクトルート別 面談転換率
コンタクトルートコンタクト数面談数転換率
通電(電話) 6038 63%
テキストレスポンス 176 35%
電話通電後の63%は十分高い水準。施策の重心は「通電率向上」と「テキスト転換率の改善」にある。
架電時間帯別 通電率(新卒 vs 中途)
時間帯新卒 通電率中途 通電率合計
09時3.3%2.5%2.7%
10時6.7%3.2%3.8%
11時4.6%3.4%3.7%
12時4.3%3.6%3.7%
13時6.3%4.4%4.8%
14時5.6%3.8%4.2%
15時6.1%3.7%4.3%
16時5.8%3.5%4.0%
17時5.5%3.6%4.0%
18時5.1%3.0%3.4%
19時6.5%3.6%4.2%
20時3.9%2.4%2.7%
21時6.7%4.3%4.7%
全体平均5.2%3.3%3.8%
※ 12時・19時以降に偏った架電を全時間帯に分散させたことで通電率が改善(B-1 実施済み)
03 — 市場データ(外部)
20代の電話苦手意識率
58%
SoftBank調査 2024
20代 知らない番号に出ない率
約87%
複数調査平均
20代の固定電話保有率
8.1%
総務省調査
電話への苦手意識 — 年代別比較
20代
58%
30代
49%
40代
32%
50代
18%
60代
0%
出典:SoftBank調査 2024 / セゾン自動車火災保険調査 2020
知らない番号に出ない割合 — 年代別
20代
87%
30代
75%
40代
68%
50代
65%
60代
63%
出典:クロスマーケティング調査 2024
2023年前後の環境変化
SNS行動
TikTok・IGショート動画が就活生に完全定着
情報収集
就活アプリで完結する意識の浸透
電話忌避
「知らない番号は出ない」が20代で通説化
AI普及
情報収集をAIで完結させる行動が始まった
断りコスト
スワイプ感覚で即断できる世代が就活市場へ
治療家系専門学校生の特殊性
一般就活生治療家系専門学校生
学校の関与低い極めて高い(学校推薦・求人票管理)
情報源就活アプリ・SNS学校掲示板・先輩・実習先
登録動機自発的情報収集とりあえず登録(比較・情報収集)
意思決定者本人本人+学校+親+実習先
電話認識「詐欺か親」同上。実習中で物理的に出られない時間帯も多い
サービス認知人材紹介を理解している「人材紹介が何か分からない」が大半
04 — 原因分析
面談率低下の構造(確定)
表面的な問題
登録⇒面談率の低下
↓ 分解
分母劣化型
登録数↑ / 面談数横ばい
真の問題
C要因
低学年・低意向登録の混入
D要因
CPA高騰・SNSチャネル経由の低意向登録増
A要因
2023年以降 通電後の断り増加
根本
「人材紹介が何か分からない」認知ズレ
2023年が臨界点になった理由
「断ることへの心理的コスト」が2023年以降に激減した。SNS・マッチングアプリ・就活アプリで「興味なければスワイプするだけ」という行動様式が完全に定着した世代が就活市場に参入した年。電話口でも同じ感覚で「結構です」と即断できるようになっている。
変わっていないもの
通電率・日中架電困難(昔から同じ)
2023年以降に変化
通電後に「断る」学生が急増
∴ ボトルネック
架電後の最初の10秒のフレーミング
テキスト送付が面談率を下げる理由
テキスト送付あり
番号を事前通知
「営業電話が来る」と認識
断る準備ができた状態で通電
→ 面談率 50%
テキスト送付なし
番号通知なし
無防備な状態で通電
会話の流れで承諾しやすい
→ 面談率 65%
05 — 施策マップ
優先度:高(即実行) 優先度:中(IS並走) 優先度:低(中長期) 実施済み
優先 ID 因子 施策名 具体アクション 期待KPI 実装コスト 備考・リスク
実施済 B-1 B 架電時間帯分散 12時・19時以降集中から全時間帯に分散。新卒通電率5.2%を実現。 通電率 改善済み 完了 継続運用
A-1 A 架電冒頭フレーミング変更 「面談しませんか」→「就活の情報整理を一緒にしませんか」。求人紹介より先に価値提供の文脈で入る。 通電→面談率 ↑ 低(スクリプト変更) 2〜4週で効果測定可能
A-2 A テキスト文面の選択肢化 「面談」を前面に出さず「履歴書添削だけ/業界動向だけ/適正診断だけ」など目的別の選択肢を提示。返信ハードルを下げる。 テキスト転換率 35%→↑ 低(文面変更) 選択肢ごとの面談誘導ストーリーが必要
A-3 A 就活生固有の価値提示 「先輩の就職先データ」「初任給相場」「実習先と就職先を分けるべきか」など治療家専門学校生の固有不安に刺さる情報をコンテンツ化。 承諾率 ↑ / キャンセル率 ↓ 中(コンテンツ設計) コンテンツ品質が低いと逆効果
A-4 A 面談形式の選択権付与 電話面談に加えLINEビデオ・Zoom・テキストチャット面談を選択肢として提示。求職者が手段をコントロールできる状態にする。 面談設定率 ↑(別経路補完) 中(運用フロー整備) IS対応工数が増加
AB-1 A+B 国試カレンダー連動 卒業年度から国家試験時期を逆算し架電強化フェーズと抑制フェーズを設計。国試直前は接触を控え試験後に集中。 承諾率 ↑ / 離脱率 ↓ 中(SF設定) 年度によりズレあり
A-5 A 先輩口コミ設計 面談・就職した先輩のリアルな声をSNS・LINEでコンテンツ化。就活生の意思決定が口コミに強く依存する構造を活用。 登録質 ↑ / 承諾率 ↑ 高(継続運用) 運用コストが高い
B-2 B LINE公式アカウント起点化 登録〜面談のコミュニケーション主軸を電話からLINEに段階的に移行。電話は補完手段に位置づける。 面談設定率 ↑ 高(システム整備) 架電数減少の事業リスクあり
06 — 結論・IS設計
今日の議論の結論
当初の問い
20代の登録⇒面談率をどう上げるか
架電工夫の限界
AB施策単体での改善余地は限定的
根本原因
「人材紹介が何か分からない」という入口の認知ズレ
∴ ISがナーチャリングを担うことで構造ごと解決する
ISのミッション再定義
従来想定
スクリーニング
低意向を弾く
実態に合わせた再定義
認知補正
「人材紹介とは何か」を伝える
選択肢提示・関係構築
ハードルの低い接点から温める
FSへ渡す(温まった状態)
新卒治療家向け 理想フロー
登録
IS:認知補正テキスト送付
「履歴書添削だけ/業界動向だけ/適正診断だけ」選択肢提示
↓ 分岐
返信あり
→ IS:選択肢に応じた情報提供
関係構築完了
→ FS:詳細ヒアリング(面談)
返信なし
→ IS:別角度で再アプローチ
一定期間反応なし
→ 低優先に分類
フェーズ別実行計画
フェーズ1(今すぐ)
A-1スクリプト変更 + A-2テキスト文面の選択肢化
フェーズ2(IS立ち上げと同時)
ISが認知補正・ナーチャリングを担う。架電目的を「面談獲得」→「関係構築」に変える
フェーズ3(中長期)
LP・登録経路を新卒向けに再設計。入口から「就活サポート」として認知させる
一発で劇的な改善は期待しない。複数施策の重ね合わせで累積効果を狙う構造。ISのナーチャリング導入が最もインパクトの大きい構造変化。